最近、ルブラに関するお問い合わせとともにアピストグラマの色揚げについてのご質問をお受けする機会が多くなっています。
色揚げ技術を惜しみなく公開しているケースはあまり多くありませんが、今回は当社が考えるアピストグラマの色揚げ方法について書いていこうと思います。プロモーションを含みます。笑
色揚げ技術を惜しみなく公開しているケースはあまり多くありませんが、今回は当社が考えるアピストグラマの色揚げ方法について書いていこうと思います。プロモーションを含みます。笑
ルブラのご紹介
まずは、フタ受けが要らない軽くて割れない水槽用のフタシリーズ [ ルブラ ] のバリエーションをご紹介いたします。
これらバリエーションの中で色揚げ用ツールとしての役割りを担うのはブラックウォータータイプになります。
色揚げの基本的な考え方
先にお断りしておきますが、本記事内の色揚げ方法はアピストグラマ以外の種での効果は検証しておりません。また冒頭で述べているように、当社が考える独自の色揚げ方法であるため必ずしもこの方法が正しく、全てに対して効果が高いとは限らないことを予めご了承ください。
色揚げ方法は大きく分けると以下の二つになります。
後者は、飼育環境を野生環境に可能な限り近付けてあげて、遺伝子を刺激し本来持っている体色を引き出す方法。
今回は後者の飼育環境を整える色揚げ方法について説明していきます。
本題に入る前に、アピストグラマは何故あのような綺麗で様々な体色を持っていると思いますか?
飼育者を楽しませるため、と思いたいですが残念ながら違います。
水槽内で普段は威張り散らしていても、生息地である南米の広大で弱肉強食の世界でのアピストは底辺に位置する魚種です。そのため捕食者から自らの身を守るためにその環境に合わせた体色を持っているのです。
そうです、"アピストの体色は保護色"と捉えるのが色揚げを理解し実施する上でとても重要です。
アピストが南米の様々な場所に生息しているからこそ、その環境に合わせて様々な体色を持つようになった。そして同じ種であっても生息地の違いにより体色が異なるためにバリエーションが増えてコレクション性が増す。
そのように考えると、アピスト自身は意識していないけど結果として先ほどのアピストの体色が綺麗なのは何故かという質問に対し、飼育者を楽しませるためという回答はあながち間違っていないのかもしれないですね。
色揚げ方法は大きく分けると以下の二つになります。
- 餌漬けにする
- 飼育環境を整える
後者は、飼育環境を野生環境に可能な限り近付けてあげて、遺伝子を刺激し本来持っている体色を引き出す方法。
今回は後者の飼育環境を整える色揚げ方法について説明していきます。
本題に入る前に、アピストグラマは何故あのような綺麗で様々な体色を持っていると思いますか?
飼育者を楽しませるため、と思いたいですが残念ながら違います。
水槽内で普段は威張り散らしていても、生息地である南米の広大で弱肉強食の世界でのアピストは底辺に位置する魚種です。そのため捕食者から自らの身を守るためにその環境に合わせた体色を持っているのです。
そうです、"アピストの体色は保護色"と捉えるのが色揚げを理解し実施する上でとても重要です。
アピストが南米の様々な場所に生息しているからこそ、その環境に合わせて様々な体色を持つようになった。そして同じ種であっても生息地の違いにより体色が異なるためにバリエーションが増えてコレクション性が増す。
そのように考えると、アピスト自身は意識していないけど結果として先ほどのアピストの体色が綺麗なのは何故かという質問に対し、飼育者を楽しませるためという回答はあながち間違っていないのかもしれないですね。
生活圏と保護色
保護色とはどのようなものなのか、主に生活している場所との関係性をみていきましょう。
ネオンテトラ・カージナルテトラ・グリーンネオンテトラと言えばアマゾン川やオリノコ川の上流域を中心に広範囲に生息している熱帯魚を代表する最もポピュラーなカラシンです。
いずれも爽やかな青色と濃い赤色を基調にした体色で、その面積は多少違いますが背中側に青色、お腹側に赤色という配色です。実はこの配色が捕食者から身を守るための保護色と言われています。
赤褐色のブラックウォーターの川に生息する彼らの生活圏は上〜中層です。上層や水上からの捕食者に見つかりやすい背中側は空と同じ青色にすることで目立たないようにしています。対してお腹側が赤色なのは水中の捕食者から身を守るための保護色です。水中から上を見上げた時に赤いブラックウォーターと同化して目立たなくなるようにしているのです。
コリドラスやオトシンなどの底物系と呼ばれる種どうでしょうか。
背中側は川底の石や土などに紛れるように体色や模様で保護色を形成していますが、お腹側は真っ白です。全てがこれに当てはまらないかもしれませんが、彼らの生態と生活圏ではお腹側に保護色は不要なのです。
ではアピストはどうでしょうか。
ディプロタエニアやプサモフィラのように水深のある砂場が生活圏というアピストも居ますが、それ以外のほとんどのアピストの生活圏は、捕食者である肉食魚が入って来れないような浅瀬です。雨季や乾季により多少の違いはありますが、流れの早い本流ではなく、支流の浅瀬でほとんど流れが無い水溜りのような場所を生活圏にしていることが多いです。
そしてアピストは川底近くの下層を生活圏としているので、ネオンテトラやカージナルテトラのような背中側の青色は必要としません。
アピストは、捕食者であろう水上の鳥や水中の肉食魚などに見つからないために、川底の色と同じような体色を保護色としていると思われます。
赤い水に住むアピストは赤色の保護色を持ち、透明な水に住むアピストは青色や黄色の保護色を持ち、茶色い水に住むアピストは黄色やオレンジ色の保護色を持つ。大雑把ですがこのような事が言えます。
余談ですが、ネオンテトラ・カージナルテトラ・グリーンネオンテトラの話に戻ります。もしこの3種が同じ場所に住んでいたら生活圏がどのように仕切られるのか個人的にとても気になります。
赤色の面積順に並べると、カージナルテトラ → グリーンネオンテトラ → ネオンテトラとなります。それが保護色だとして、彼らが同じ場所に住んでいたら、果たして川底から水面に向かってカージナルテトラ → グリーンネオンテトラ → ネオンテトラの順できれいに生活圏が分けられるのだろうか。
そしてハイフェソブリコン・エイリョスというボディが黒くて背鰭と尾鰭が鮮やかな赤色をした珍カラがここ最近アラグアイアから入荷していますが、一体どんな環境に暮らしていたらあのような体色になるのか非常に興味があります。
学術論文には緑色と青色の少し深そうな沼のような写真が載っているのですが、実際にはかなり特殊な茶色い水に生息しているようです。写真で良いのでいつか実際の生息地を見てみたいものです。
ネオンテトラ・カージナルテトラ・グリーンネオンテトラと言えばアマゾン川やオリノコ川の上流域を中心に広範囲に生息している熱帯魚を代表する最もポピュラーなカラシンです。
いずれも爽やかな青色と濃い赤色を基調にした体色で、その面積は多少違いますが背中側に青色、お腹側に赤色という配色です。実はこの配色が捕食者から身を守るための保護色と言われています。
赤褐色のブラックウォーターの川に生息する彼らの生活圏は上〜中層です。上層や水上からの捕食者に見つかりやすい背中側は空と同じ青色にすることで目立たないようにしています。対してお腹側が赤色なのは水中の捕食者から身を守るための保護色です。水中から上を見上げた時に赤いブラックウォーターと同化して目立たなくなるようにしているのです。
コリドラスやオトシンなどの底物系と呼ばれる種どうでしょうか。
背中側は川底の石や土などに紛れるように体色や模様で保護色を形成していますが、お腹側は真っ白です。全てがこれに当てはまらないかもしれませんが、彼らの生態と生活圏ではお腹側に保護色は不要なのです。
ではアピストはどうでしょうか。
ディプロタエニアやプサモフィラのように水深のある砂場が生活圏というアピストも居ますが、それ以外のほとんどのアピストの生活圏は、捕食者である肉食魚が入って来れないような浅瀬です。雨季や乾季により多少の違いはありますが、流れの早い本流ではなく、支流の浅瀬でほとんど流れが無い水溜りのような場所を生活圏にしていることが多いです。
そしてアピストは川底近くの下層を生活圏としているので、ネオンテトラやカージナルテトラのような背中側の青色は必要としません。
アピストは、捕食者であろう水上の鳥や水中の肉食魚などに見つからないために、川底の色と同じような体色を保護色としていると思われます。
赤い水に住むアピストは赤色の保護色を持ち、透明な水に住むアピストは青色や黄色の保護色を持ち、茶色い水に住むアピストは黄色やオレンジ色の保護色を持つ。大雑把ですがこのような事が言えます。
余談ですが、ネオンテトラ・カージナルテトラ・グリーンネオンテトラの話に戻ります。もしこの3種が同じ場所に住んでいたら生活圏がどのように仕切られるのか個人的にとても気になります。
赤色の面積順に並べると、カージナルテトラ → グリーンネオンテトラ → ネオンテトラとなります。それが保護色だとして、彼らが同じ場所に住んでいたら、果たして川底から水面に向かってカージナルテトラ → グリーンネオンテトラ → ネオンテトラの順できれいに生活圏が分けられるのだろうか。
そしてハイフェソブリコン・エイリョスというボディが黒くて背鰭と尾鰭が鮮やかな赤色をした珍カラがここ最近アラグアイアから入荷していますが、一体どんな環境に暮らしていたらあのような体色になるのか非常に興味があります。
学術論文には緑色と青色の少し深そうな沼のような写真が載っているのですが、実際にはかなり特殊な茶色い水に生息しているようです。写真で良いのでいつか実際の生息地を見てみたいものです。
底床の色と体色の関係
この写真は細身で体の至るところが赤く染まるとして知られるアピストの生息地です。
水は赤褐色のブラックウォーター、川底は白い細かな砂で、曇っていますが光で照らされた浅瀬の川底は赤茶色に染まっていますが、水深が深いところは赤黒い色をしています。
このような場所で真っ白な体色をしていたら捕食者にすぐに見つかってしまうのは容易に想像できますよね。
では、川底が白い砂ではなく枯れ葉が堆積している場所ではどうでしょうか。赤褐色のブラックウォーターを通過した太陽光は茶色い枯れ葉をきっと真っ赤に染め上げていることでしょう。なのでやっぱりそのような場所でも保護色である赤い体色は必要不可欠なのです。
ネグロ川に生息する体表的なアピストであるエリザベサエ。顔周りから腹部にかけて赤くそして上品な雰囲気を持つことからアピストグラマの女王と呼ばれています。
最近は毎年入荷していますが、採集された場所が同じであったとしても季節や年によって色の表現が異なることがありますよね。
例えば、昨年は腹部や腹鰭が赤かったのに今年のエリザベは頬しか赤くなかった、とか。
これは全く同じ採集ポイントであっても起こりえることなのです。例えば、昨年は日陰が少なく川底まで太陽の光が届いて堆積した枯れ葉が真っ赤になっていたけど、今年は川辺の樹木が成長して日陰になったお陰で日差しが川底まで届く時間が少なかった、なんて事が起きれば同じ場所に住んでいたエリザベでも自らの身を守るために体色を変化させることでしょう。
なので「あの年のヤワウィーラ産はヤバかった」とか「あの時のアイワナのメンデジーはスゴかった」となるのです。彼らアピストにとっては死活問題なんですけどね。笑
アピストを飼育していると彼らの視線を感じることが多くありませんか?
陰に隠れているようでも飼育者の行動を見張っているようで、こちらのちょっとした動きにもしっかり反応します。それだけアピストは視力が良いと言えますし、目から得る情報がとても多いとも言えます(多分他の魚種も同じだと思いますが)。
自らの生活圏の環境色についても無意識に目から情報を得ているはずです。そしてその環境色に対して適切に体色を変化させるように彼らの遺伝子にしっかりと刻み込まれているはずです。
極々たまにアルビノのアピストを見かけることがありますが、そのような場合は視覚異常を患っているケースがほとんどです。ここからも視覚から得る情報は重要というのがわかります。
さぁ、それでは前振りはこの辺までにして、ここからはアピストの具体的な色揚げ方法について・・・
と言いたかったのですが残念ながらお時間がきてしまいました。。。
・ワイルド種の体色が飼育しているうちに徐々に退色してしまう・・・。
・苦労して繁殖させたのに稚魚の体色が親のように出てこない・・・。
などという悩みについて、次回は解決策を示せるようにしたいと思います。
見慣れた自分の水槽を見ていてもきっとその問題点は見つけられないと思います。しかし最近はSNSが発達しているので沢山の人の水槽環境を客観的に見ることができます。きっと同じアピストでも飼育者によってアピストの体色が異なって見えるはずです。
例えば、ヨーロッパのマニアの方々は南米現地の環境を模してブラックウォーターに白い砂を敷いているケースが多いです。しかし水が茶色いのでアピストの体色も茶色主体になってしまってるケースが多いです。
底床が砂かソイルかでも体色は異なってきますよね。
意外な盲点として、水槽内の藻類によってもアピストの体色が変化しているのをご存知ですか?底床にビッシリと緑のコケが生えている場合はアピストの体色も緑っぽくなってますし、黒ひげゴケが底床を覆っている場合は体色も黒っぽくなってます。
このように底床の色に注目してアピストの体色と対比しながら他の飼育者の方々の写真を見てみるのは新たな発見もあったりして楽しいものです。
後編につづく。。。